2013.3 富田林
大阪にこんな場所があったのか?と心底驚いた、富田林市の「じないまち」。
あのがちゃがやとした喧噪のキタやミナミを抜けて電車を乗り継いで降りると、不思議な感覚に陥る。駅からほんの少し中に入っていくと、江戸時代や明治時代の建造物がそのまま生かされ、それは見事に美しい街を形成しているのだ。いかにも観光地として作られているのではなく、住民たちが実際そこに住まい、しっかり町をきれいなまま育てている、がんばっているというところが素晴らしい。少し前に、知り合いの方がここを終の棲家として居住された理由がよくわかった。なんでもありの猥雑な現代から少し通りぬけ、静かに自分が生きる時代と向き合って生きていける・そんなところが魅力なのだろうか。
タイムトリップしたような、本当に不思議な町。そしてアーチストたちがここに住み自分の世界を表現、発信しながら住んでいるというのもとても素敵なこと。
大人が住みたい町とは・・・。神楽坂の高層マンションも良いのかもしれないが、Mさんがなぜここにわざわざ引っ越しをされたのかがよくわかる。間違ってもカラカラと音のするキャリーバックを引きずって石畳は歩けないと思う静かな町。3月初旬は各家庭、各お店でそれぞれの伝統雛を飾って、訪問客たちはそのお雛さんめぐりを楽しむ・・・という祭りがある。
住民たちが町を良くしようとがんばるのが本流。よそ者ができることは長続きはしない。そんなことも教えてくれる素敵な町。あまり教えたくはないけれど・・という気持ちになる。 |