昭和、歌舞伎町、酒。孤独と笑いの人生。

グラン・ルー20周年を迎える今年は、55歳になるという節目も含め、
感謝のGO GO精神でいこうと思っている。
と書くと、ちょっとイケイケな感じに聞こえるが、そうではなく
会いたい人に、会っておきたい人に、感謝すべき人に、会いに行くという意味。

いつか会えなくなるから、そんな日が来ないうちに・・・。
そして、恩返しをする行動の1年にしたい・・・という意味のGO GOだ。

早速、四半世紀、新宿歌舞伎町でお世話になってきた元ママと
久しぶりに再会する。
お店をやめてもうかれこれ数年、お年の頃は70代前半か・・。

「久しぶりに新宿でごはん一緒にいかがですか?」
と誘いの電話に、「いく、いく」と元気な声。
私が遠くへ行ってしまったと思っていたご様子であったので
余計に喜んで下さった様子。

当日、元ママは、キレイにおめかしして登場!想像どおり。
くたっとしていない、よれっとしていない。キレイだ。
やっぱりその道のプロだ。

お店に入って
「何、飲みます?ビール?」
とすすめると
「いや、私、日本酒 常温でもらうわ。おちょこじゃなくて、グラスでね」
やっぱ、ここでもプロっぽくて、頼もしく思える。

そして
「どーも、どーも、久しぶりね。今日はどーもね。はい、カンパイ!」
と、なんだか昔の店で最初の一杯をいただくときと同じような
ノリだ。
声も、歌舞伎町時代と変わらず、ちょっとハスキー。

そこから、ママと2時間半。ふたりで懐かしい四半世紀の思い出話や
社会の動向、今の時代の話などしながら、食事する手を止めないように
するのが大変なほどに話に花が咲く・・・そしてあっという間に時間が
経つ。

「なんだか、私ったら 今日はよく話すね。自分でも驚くわ」
そう、私がかなり聞き役になっていた。

本当に、ママは20年前と同じように、よく話した。
私はその様子がとてもうれしかった。
店をやめて、家に籠っていないかと心配していたから・・。

歌舞伎町に通っていたまではいかないが、私がお世話になった
馴染みの飲み屋さんといえば、東京ではここだけ。
最初の出会いはゴールデン街のお店時代に遡る。

いろんな人をお連れし、またいろんな方と遭遇し、
水商売の世界をちらり垣間見て、世間を勉強させてもらった。
本当に、新宿という町は奥が深いと思ったのも、このお店との
ご縁がきっかけだ。

「いつも、表に出ないしね、一人だから、ほんとうは寂しいんだよ。
一人というのは、寂しい。」

ぽつんとママが言った。

一人暮らしだと、確かに毎日話す人がいない。
だから、たまに気心知れた人と会うのはいいのかもしれない。

別れの時間になった。
「たまには、ちょっと寄っていくかな」
さすが 新宿のプロだ。
「どこへ行ってもいいけど、ちゃんと家に帰ってくださいよ」
「そうだよね、ばあさんが 飲み屋にひとりで夜中にいってもねえ・・」
気持ちよく、笑って握手して別れた。

翌日、電話がある。
「まさこちゃん。昨日は本当に、ほんとうに、楽しかった。ありがとね。
また、今度、いつでも誘ってね。」
喜んでくれてよかった。本当によかったと、心からホッとした。

気が付けば、
「昭和」の時代は良かったと、何度も口に出していた。

平成がもうすぐ終わるようだけれど、心に残っているのは
やっぱり、昭和。

これからもっと懐かしくなる。
昭和。歌舞伎町。ネオン・・・。

ママをまた誘わなくちゃ。

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