気がかり、心配を受け取り・・

女の一生。
小説のタイトルのように、決してカッコよくはないけれど、
最近、弱ってきた母の人生を私なりに想像しながら、彼女の一生を考える。
曲がった腰、昔の傷、がんの手術の後・・・。
元気なときには、なんとも思わなかったことが、80年のなかで彼女は
彼女の世界のなかで、どうやって生きてきたのだろうと今、改めて考える。

母の力がなくなった、限界を知った今、
そして、一生はいつか終わるかも・・・と思う今、いろんなことを思い、
涙あふれる。

数年前の胃がんのとき以上に、その老いを実感する。

親が、いつかいなくなるということが、現実味を帯びてくると、これではいけない、このままではいけないと思う。

まだメールの返信がある。まだ話が通じる。今を大切にしよう。
安心して暮らせるようにだけしてあげたい。

入院先からも、自宅の冷凍庫に入っている野菜のことを心配して何度も電話を
してくる。急な入院で、本人としては気がかりなことがいっぱいあるのだろう。
「はい、はい。大丈夫。こっちでやっておくので」
と心配しないように返事をする。
とにかく、冷蔵庫、冷凍庫、そして庭の水まき・・・。
こっちが思い出してほしいことは、残念ながら「知らん」・・。
とにかく、彼女の心配ごとが減るように、おつきあいをする。

もう決めた。
とにかく、笑顔でお別れできるように、ちゃんとやる。
それが、この人の娘として生まれてきたことへの、お返しになるように。

まずは、気がかりをなくす。心配ごとを減らしてあげる。
それをこっちが受け取り、そしてそれが安心になるように変換する。
しばらく、そんなリレーを続けていく。

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