爆買いとは別世界の銀座へ

東京滞在時に、突然3時間の時間が空いた。乗る新幹線の時間を早めるのも野暮だ。せっかくできた時間は有効活用した方が良い。今回はそうしたいと思った。
有楽町にいた私は、そうであれば・・・と丸の内から銀座に向かい、銀座から東京駅のルートを想定し、とことこと歩き始めた。
テーマは、20代の出張のときにたずねた銀座、そして私にとっての銀座らしい場所を巡るということ。

銀座大通りよりも、実は、一本外れた並木通りなどの静かな通りがいい。
30年前から、営業を続ける店舗もあるが、入れ替わりも激しく、流行の先端のお店も相変わらず多い。
そんななか、教文館という書店に足が向く。

若かりしサラリーマン時代、本屋リサーチも十分、市場調査の仕事になった。
そんなとき、よく来たこの書店。
1階、2階は本当によく通った。20年近く来ていなかったが、店内の様子は昔のままと言いたいが、客数は圧倒的に減っている。銀座の一等地にある本屋、大丈夫か。その上にあるのは、キリスト教関連書籍のフロア。

以前は3階以上には上がったことがなかった。どうも自分には関係ないと思っていたのだ。しかし、今回は、この何年かの長崎の隠れキリシタン、殉教者への思い、関心や、ザビエルへの興味もあり、一体3階はどんな品揃えになっているのだろうと興味がわき、初めてフロアに足を踏み入れた。

パイプオルガンの音が静かに響き、大変静かな、図書館のような売り場である。
キリスト教に関する専門書がずらり並ぶ。
まったく門外漢の私にとっては、驚きの世界であるが、遠藤周作や馴染みの作家の小説や、長崎に関する資料もあり、親しみもわく。
一番の収穫は、パイプオルガンの楽譜も販売していること。なるほどオルガンは、キリスト教の礼拝用の重要な道具だ。楽譜といえば、讃美歌の伴奏譜。
銀座に、こんな専門店があったのだ。知ってはいたが、初めての経験。
爆買いに訪れる外国人も落ち着いたようであるが、それとは関係なく、静かに銀座で思いをもって長く商いを、活動をしているお店があるというところが、銀座の魅力だ。
思わず、メルケルさんの翻訳本など、普段買わないものを買った。
銀座は大人の町だ。そうあり続けてほしい。

時間が急に空くのは、ラッキー。その時間は計画通りでないことにトライしたい。

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