梅雨の時期は、部屋の中での楽しみをみつけたいもの。
そんなときには、なんといっても読書がおすすめ。
昔読んだ一冊、いつか読もうと眠らせていた一冊を本棚から取り出して、自分だけのスロータイムを過ごしてみるのもよい。

数年前だったか、京都在住で昔の上司Oさんに久しぶりにお会いしたときの話。当時まだ会社勤めをされており、あと半年ほどで定年を迎えるという時期だった。
「最近、定年後にと思って、本を買い溜めているんですよ。本当にキリがないんですけどね」笑顔でこうおっしゃったのが今も忘れられない。
確かに、Oさんは筋金入りの読書家であり、常に通勤時には必ず文庫本や単行本を携帯されていたし、、面白い本があるよと、読み終わった本をよく回してくださった。知識も経験も足りない私は、上司を百科辞典のように頼っていた。「なかなか会社勤めしているとゆっくり本も読めないのでね。定年になったら、日本中をゆっくり鉄道旅行して、本をいっぱい読んで…とそれが楽しみで、ついつい本を買ってしまうのですよ」その言葉をなんとも羨ましいと思ったものだ。                  

毎日時間に追われての現役時代。読むのはビジネス書が主流。世の中の流れを知るため、あるいは仕事に役立つ情報を得るためというのが、読書の主な目的。もちろん好きな歴史小説や推理小説を本当はたっぷり読みたいけれ、とにかく時間が足りない…。
そんな状況から脱出できる定年というセカンドステージ。            
久しぶりに本棚に眠る書籍たちを起こしてみる。現役時代に中途半端に読みかけていた偉人伝、買ったはいいけれど、途中で挫折してそれっきり開かなくなった洋書、あるいは何年も前に鑑賞して感激して買ったあと積んである展覧会の図録、学生時代に読んだ恋愛小説、古本屋でたまたまみつけた好きな作家の初版もの…などなど眠っていた一冊からさまざまな思い出が湧き出して、今一度読んでみようという気持ちになってくる。こんな自宅の本を読み直すもよし、あるいは時間をみつけ、神田や百万遍などで古本屋巡りをし、とっておきの1冊をみつけてくるもよし、散歩を兼ねての図書館通いもよい。いずれにしても、自分の時間にゆとりをもつことができるこの定年時代こそ、読書を存分に楽しみたい。自宅で、旅先で散歩の途中のカフェで…。毎日のくらしのなかで、読書時間は自分との対話であり、タイムトリップできるかけがえのないひとときになる。
そんな読書には、小物にもこだわりたくなる。少なくとも書店の包装紙カバーを卒業して、マイブックカバーを使ってみるなど…。ブックカバーはベビーカーフなど皮製に人気があるが、なめらかな手触りのものが喜ばれる。それらは親しい方への贈り物にもよい。最近ではそこに名前を入れたり、また同時に2〜3冊を読む習慣がある方は色違いで使い分けをされたり、栞と同じデザイン・色でコーディネイトされるなど、楽しみ方もさまざまだ。
さらに読書に関連して、本をモチーフにした英国製の卓上小物やおしゃれなブックエンドも登場し、読書シーンの楽しみ方が広がっている。
書斎で読む、ごろ寝で読む、カフェで読む。いずれも楽しい。静かで有意義な読書時間で、気分が沈みがちの鬱陶しい梅雨を気分爽やかに、晴れやかに…。くれぐれも室内ではどうぞ、明るい場所で読書をお楽しみ
ください。