2006.12
 

 

今では頻繁に足を運ぶようになったが、初めて訪れたのは25歳の5月。初めての出張、初めての海外。当時のNYは、ボトルマンやケチャップマン?と今では懐かしい響きの犯罪が流行っており、旅行者がひとりで歩くのは危険とされていた。このグランドセントラル駅も犯罪がいっぱいの立ち入り禁止といわれていたが、その後、あの美しい建物の前を通るたびに、ここから出ていく電車を見たいと思うようになった。ひとりで中に入ったときはちょっとだけニューヨーカーに近づけたと勘違いしたものだ。
駅という建物で、こんなに心地よい緊張感に包まれる場所はそれほど多くはない。窓からまっすぐに光が下りてくる。行き交う者に希望をもって行けと背中を教えているかのようだ。コンコースからホームに入り、列車を見るのもよい。今だ見たことのない、ニューヨーク郊外の町へ、列車は走っていく。本ホームページの2006年12月の「WORLD」頁に記載した、ハンバーガーの元祖といわれるルイス・ランチのある町「NEW HAVEN」もこの駅から行くことができる。
どんなに車社会になろうとも、鉄道は重要な庶民の足である。いつか、アメリカ大陸を鉄道で回ってみたいという夢を抱きつつ、この駅にしばらくたたずむのも悪くない。
そういえば、ある人は、この駅のバーでビールを飲むのが好きだとか。
「カリートへの道」にはじまり多くの映画でも登場するこのグランド中央駅。
犯罪の匂いが少ししそうなところも アメリカらしくて たまらない。そして。2001年9月11日の1ヵ月後ここを訪れた際、日本の遺族たちのメッセージボードがここにあったことも記憶に新しい。