2005.3
  「くれたけ食堂」
学生時代によく通った食堂。学生食堂よりも、ちょっと贅沢したいときに仲間たちと通った店のひとつ。20年の歳月が流れ、何軒かのお店はすでにカタチを変えているなか、この食堂はそのままである。
よく煮えたおでん、煮物…など懐かしいお惣菜がある。麺も定食も懐かしい、お袋の味ばかりである。赤茶けた店内メニューもあの頃と同じ。もしかして、値上げもしていないのではと心配になるほど。
当時看板姉妹だった、おばちゃんたちは、今もそのままだった。
女性客を「ねえちゃん」と呼び、男性客を「にいちゃん」と呼んでくれるのも親しみが湧く。20年前の学生と今の学生、どこが違うかの質問に、「そりゃ、ねえちゃん。昔と今では食べもんが違うさかい今の学生さんは、そういう意味ではやさしいよ。お袋の味とか知らんし、揚げものばっかり食べてるしな」やさしいの意味は、弱いという意味かと推察する。20年ぶりに訪れた店で迷いに迷っていただいたのは「鍋焼きうどん」すするほどに、当時600円の食べ物は高いと思っていた自分を思い出し、どこか懐かしく、また背筋がピンときた。また近いうち足を運んでみたい郷愁の食堂である。